「よし、出すだけ…」と打ったその一打。
ボールは勢いよくグリーンを飛び越え、奥のラフへ、あるいは最悪OBへ――。
バンカーショットにおける“ホームラン”は、ゴルファーにとって最もダメージの大きいミスのひとつです。出すだけのはずが、1打で済むはずの状況が2打、3打と連鎖的にスコアを崩す原因に。
実はこの“ホームラン”には、明確な原因と対策があります。そして、その多くはちょっとした意識と構え、そして「打ち方の勘違い」から来ているのです。
この記事では、バンカーショットでホームランを防ぐための6つの要素を具体的に解説。
「バンカーに入っても慌てない」自信を持つための知識とコツをお届けします。

第1章|なぜバンカーでホームランが起こるのか?
まずは原因を正確に知りましょう。
ホームランの主な原因3つ:
- ボールを直接打ってしまっている
→ 本来は砂を打つべきなのに、クラブがボールに直接当たってしまう。 - クラブが砂に弾かれている
→ 特に硬い砂で、フェースが跳ね返されて芯を喰ってしまう。 - インパクトで手が前に出すぎている(ハンドファースト過剰)
→ ロフトが立ちすぎ、ボールが飛びすぎてしまう。
つまり、バンカーショットの“基本のズレ”がミスの原因なのです。
第2章|バンカーの原則を確認しよう
ホームランを防ぐ最大の方法は、「バンカーの正しい打ち方を守ること」。
以下が、バンカーショットの“基本のキ”です。
✅ 正しい打ち方の基本原則:
- フェースを開く(バンスを使う)
- スタンスをオープンに構える
- ボールの手前3~5cmにクラブを落とす
- フォローまでしっかり振り抜く
- クラブのスピードを落とさない
この5つを守ることで、砂がボールを運んでくれるショットになり、直接打つことを避けられます。
💡 ポイント:
バンカーショットは“砂を飛ばすこと”が目的です。ボールはその“ついで”に出るという感覚を忘れずに。
第3章|“ボールを打ちにいかない”意識の作り方
バンカーに苦手意識を持つゴルファーほど、ボールを「出したい」という気持ちが強すぎて、無意識にクラブで直接ボールを叩いてしまう傾向があります。
■ 解決法:
- 砂のターゲットを決める練習
→ ボールの3cm手前に線を引いて、そこにクラブを落とす練習を繰り返す。 - ボールなし練習
→ ボールを置かず、砂だけを打つ練習を行うことで“砂を運ぶ感覚”が身に付く。 - 「ボールは見ずに砂を見ろ」理論
→ インパクト直前の砂に視線を固定。視覚的にも“ボールを打たない”意識づけになる。
🎯 バンカーは「出そう」とするほど失敗しやすい。「砂を前に飛ばそう」と思うことで逆に安定します。
第4章|フェースの使い方がホームランを左右する
フェースの開きが足りないと、クラブのロフトが立ちすぎてボールが飛びすぎます。
逆に、開きすぎてもヘッドが潜りすぎて飛ばないことも。
■ ホームランを防ぐ“フェース管理”のコツ:
- フェースは構えた時点で開いておく(あとから開かない)
- 握る前にフェースを開く→その角度のままグリップする
- スイング中にフェースが戻らないよう意識する
📌 注意:
「グリップしてから開く」と、インパクト時にフェースが勝手に戻ってしまい、ロフトが立ってホームランになりやすい。
第5章|スイングの途中で“止めない”ことが大事
バンカーでありがちなミスに、「振り切れない」「途中で止まる」というものがあります。
これもホームランの大きな原因です。
■ なぜ止まるとダメなのか?
- 砂の抵抗でクラブが止まる → ヘッドが跳ねて芯に当たる
- スピードが落ちる → クラブが刺さらず弾かれる
- タイミングがズレる → フェースの向きもブレる
■ 解決策:
- フォローまでしっかり振り抜く癖をつける
- コンパクトな振り幅でも加速させる
- “音”で確認する(ズバッという砂の音が出ていれば◎)
🎵 コツは「怖がらず、しっかり振る」こと。
第6章|状況別・ホームラン回避テクニック
■ 硬いバンカー(雨上がりなど)
- フェースを開きすぎない
- ロフトの立ったクラブで“薄く”砂を取るイメージ
■ アゴが高いバンカー
- フェースは思い切って開き、クラブの滑りを活かす
- ボールの下にヘッドを入れるつもりで
■ ボールが沈んでいる(目玉)
- フェースを開かず、リーディングエッジで“鋭く”砂に入れる
- クラブの勢いでボールを押し出すイメージ

まとめ|“バンカーホームラン”は怖くない。理由が分かれば防げる!
バンカーのホームランは、偶然ではありません。
そこには構え方・スイング・メンタルのどこかに原因があります。
- 「ボールを直接打たない意識」
- 「フェースの使い方」
- 「スイングを止めない」
- 「状況別の打ち方」
- 「砂に集中する練習法」
この5つを押さえておけば、次にバンカーに入ってももう慌てることはありません。
むしろこう思えるはずです。
**「よし、ここは見せ場だ」**と。