■「軟らかさの質」が違う、という衝撃
ゴルフクラブの“打感”を語るとき、多くの人は「柔らかい」や「吸い付くよう」といった表現を使います。しかし、三浦技研の限定モデル「 Pure 99.3」は、その次元を超えています。
打った瞬間、フェースのどこに当たったのかが手に伝わる。まるでボールが潰れてから離れるまでの“時間”を感じるかのような、官能的な柔らかさ。
それは単なる軟鉄鍛造では再現できない、“純鉄”だからこそ味わえる打感です。
■99.3%の純鉄——究極の素材
この99.3 Pure の最大の特徴は、純度99.3%以上の純鉄(Pure 99.3)を贅沢に使用していること。
一般的な軟鉄(S20CやS25C)は、炭素をはじめとした不純物をわずかに含みます。それでも十分に軟らかい素材ですが、三浦技研はさらに上を行きました。
製造工程では、2トン炉を使い、約4か月もの時間をかけて丁寧にカーボンや不純物を取り除くという徹底ぶり。これによって、極めて均質で緻密な組織構造を持つ鉄が生まれ、打球エネルギーを逃さず、かつ柔らかく受け止める独特の感触を実現しています。
三浦技研公式もこのように語ります。
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「99.3Pureは純度99.3%の純鉄。炭素や不純物をほとんど含まないため、組織がとても均質で、S25CやS20C、S15Cよりもしなやかで柔らかな打感を実現。」
この“しなやかさ”こそ、ミウラが追い求めてきた打感の極致です。
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上記のように極めて精密に仕上げられており、すべてが鍛造一体構造。
■“ぶちゅっと潰れる”——感覚でわかる違い
この素材の最大の魅力は、何よりも「感触の濃さ」です。
インパクトの瞬間、ボールがフェースに吸い付き、押し込んだあとに“ぶちゅっ”と潰れてから離れていく——そんな手応えがある。
それは、ただの柔らかさではなく、素材そのものが“粘る”ような質感。
特にミスヒット時の情報量が段違いです。
どこで当たったのか、どれくらいフェースを開いたのか。
上級者であればあるほど、そのフィードバックが手に馴染み、スイングを正確に導いてくれるでしょう。
■純鉄という“原点回帰”
そもそも「純鉄」は、工業的にはほとんど使われない素材です。
柔らかすぎて加工が難しく、鍛造時の変形や切削性にも高い技術が要求されます。
それでも三浦技研がこの素材を選んだのは、「究極の打感」を追い求めた結果に他なりません。
「素材の良し悪しではなく、“素材の使い方”こそが打感を決める」
——これは、三浦勝弘氏の哲学です。
つまり、このクラブは単なる素材の誇示ではなく、素材を極限まで活かしきった結果として存在するのです。
■他の軟鉄との違い
一般的な軟鉄素材であるS20C(炭素含有量0.2%)やS25C(0.25%)と比べ、純鉄は炭素含有量がほぼゼロ。
そのため組織が均一で、インパクト時の“金属的な反発”がほとんどありません。
結果として、より“潰れる”ような手応えが生まれ、打球音も「キンッ」ではなく「トンッ」と低く濃い音に。
硬さを犠牲にしてまで手に入れたこの柔らかさ。
まさに「職人の浪漫」が詰まった素材です。
■打感にこだわるすべてのゴルファーへ
「Pure 99.3」は、間違いなく万人向けではありません。
むしろ、打感という“感性”を追い求めるゴルファーにこそ使ってほしい一本です。
飛距離性能よりも、コントロール性。
許容範囲よりも、手応え。
数字ではなく、感触でプレーする——そんなプレーヤーにとって、このアイアンは究極のパートナーになるでしょう。
■まとめ:鉄を極めた、三浦技研の結晶
このスペックを聞いただけで心が躍る人なら、おそらく“打感の世界”を知っているはずです。
三浦技研が追い求めたのは、数値では語れない“感触の記憶”。
それは、ゴルフというスポーツを“感性の芸術”に変える唯一無二の存在です。
「打った瞬間、手が覚える。」Pure Iron 99.3