こんにちは!GOLF GUTS(ゴルフガッツ)の久我です!
今回は悲しい運命に翻弄された伊達男「ペイン・スチュワート」を紹介していきたいと思います。
- 本名 ウィリアム・ペイン・スチュワート(William Payne Stewart)
- 出身 アメリカ合衆国・ミズーリ州スプリングフィールド
- 1957年1月30日〜1999年10月25日(42歳没)
- 通算勝利数→18勝(うち11勝は米国ツアー)
- メジャー大会→3勝
- 全米オープン(1999年、1991年)
- 全米プロ選手権(1989年)
- ライダーカップ成績→8勝8敗2分(1987、1989、1991、1993、1999年に選出)
ペイン・スチュワートは「ミズーリ州アマチュア選手権」で優勝経験もある父親から手ほどきを受け、4歳からゴルフを始めます。1979年にプロ入りしますが、PGAツアーのQ-School(シード権獲得への出場資格試験のこと)を通過できませんでした。そのため「アジアン・ツアー」を2年の間渡り歩き、2勝するなどし実力をつけていきます。PGAツアーに参戦を開始したには1982年からで、その年の「クワッド・シティ・クラシック」でツアー初優勝をあげると、1989年に「全米プロゴルフ選手権」でメジャー大会を初優勝すると1991年に全米オープンも優勝しメジャー2冠を達成します。
しかし、90年代の半ばあたりからスランプに陥ります。予選落ちを繰り返すペイン・スチュワートに世間は冷ややかでした。それは、ペイン・スチュワートの行動が原因でした。デビュー以降から、「言動があまりに子供っぽい」「クラブを池に投げ捨てる」などのあまり良いとは言えない面があったそうです。このままではダメだと思ったペイン・スチュワートは変わろうとしました。結果がでなくても淡々とプレーし、信仰心の強いクリスチャンとして心を入れ替えていきました。
なんだか「球聖 ボビー・ジョーンズ」と似てますね。何が似ているのかわからない方は「ゴルフ偉人伝 ボビー・ジョーンズ(現役編)」をご覧ください!
さて、話を戻してペイン・スチュワートが心を入れ替え始め少しずつ成績を出せるようになって迎えた1999年の「全米オープン」でタイガー・ウッズ、フィル・ミケルソンなどを振り切り2度目の優勝。この時に決めたウイニングパットは全米オープン史上で最も長い距離で、決めた時の感情を全身で表現したようなガッツポーズは印象的でした。
ペイン・スチュワートは、トレードマークと言ってもいいハンチングとニッカボッカをオシャレに着こなしていました。ツアーに行くと練習日も含めて同じ服・同じ靴は履かなかったというこだわりぶり。また、愛国心がとても強くアメリカの国旗をゴルフウェアに取り入れることも多かったそうです。来日にしたときには白のポロシャツと赤のハンチング&ニッカボッカに真っ赤なシューズを合わせて日の丸をイメージにしたコーディネートを披露してくれました。
当時米ツアーでは少しゆとりのあるシルエットのウェアが主流でしたが、はそれをあえて着ませんでした。
その理由をペイン・スチュワートは「ある試合会場に行くと、自分とまったく同じポロシャツ、同じパンツで球を打っている選手が何人もいたんだ。これじゃ個性がないし面白くない。誰かとウェアがカブるなんてごめんだ、って思ったんだ」と語っています。
そんな他人とカブることを嫌ったペイン・スチュワートですが、スイングは柔らかく力みの無いスムーズなリズムで淡々とプレーをしていきます。そうして掴んだ2度目の全米オープン優勝。しかしその数ヶ月後の1999年10月25日、フロリダ州オーランドから2時間の予定でフロリダ州オーランドPGAツアー選手権
の会場があるテキサス州ダラスにプライベートジェット機で向かっていましたが墜落し亡くなってしまいます。
ペイン・スチュワートの事故死の報道を聞いて、フロリダ州オーランドPGAツアー選手権は第2日目を中断し、第3日目と第4日目を27ホールずつ消化する競技日程に変更され、出場選手たちのほとんどがペイン・スチュワートの追悼式に参列しました。翌年の全米オープンでも大会開幕に先立ち、前年優勝者のペイン・スチュワートを偲ぶ式典が行われました。
ペイン・スチュワートの死後、そのファッションセンスと誰からも好かれる性格、慈善活動(もらった賞金を丸ごとぜんぶ癌治療施設に寄付など)でゴルフ界を牽引したことから2001年に世界ゴルフ殿堂入りし「Payne Stewart Award」が創設されました。この賞は「values align with the character, charity and sportsmanship that Stewart showed」な人物が受賞するというものです。簡単にいうと社会貢献が認められた選手に贈られています。
ゴルフを愛し、他人を尊敬し、多くの人から愛されたペイン・スチュワートは全てのゴルファーの模範となっています。
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