【ゴルフ偉人伝!帝王と呼ばれた強さの象徴ジャック・ニクラス編】

こんにちは!GOLF GUTS(ゴルフガッツ)の久我です!

今回は、圧倒的な強さと、トレードマークの金髪で「ゴールデン・ベア」と称され、「帝王」と呼ばれたジャック・ニクラスです。

  • 本名 ジャック・ウィリアム・ニクラス(Jack William Nicklaus)
  • 出身 アメリカ合衆国オハイオ州コロンバス
  • 1940年1月21日〜
  • 名前の表記について違いが多く、よく「ジャック・ニクラウス」という表記も見られますが、これはドイツ語に近い表記で英語発音に近い日本語表記は「ニクラス」となることから表記が混在しています。
  • マスターズ ・トーナメント→6勝 (1963年、1965年、1966年、1972年、1975年、1986年) [大会歴代1位。1986年は最年長優勝]
  • 全米プロゴルフ選手権→:5勝 (1963年、1971年、1973年、1975年、1980年) [大会歴代1位タイ]
  • 全米オープン→4勝 (1962年、1967年、1972年、1980年) [大会歴代1位タイ]
  • 全英オープン→3勝 (1966年、1970年、1978年)
  • PGAツアー→73勝
  • チャンピオンズツアー(旧シニアツアー)→10勝
  • その他→33勝
  • アメリカ年間賞金王→8回
  • PGA最優秀選手賞→5回

10歳のときに父のチャールズ・ニクラスとゴルフレッスンプロであるジャック・グラウトの手ほどきで、ゴルフを始めます。アマチュア時代から才能は開花し、全米アマチュア選手権で2度の優勝を果たすと1961年にプロへ転向しました。高さのある正確無比のフェードボールを武器に翌1962年に全米オープンでプロ初優勝を飾るとマスターズ6勝、全米オープン4勝、全英オープン3勝、全米プロゴルフ選手権5勝。メジャー史上最多となる通算18勝を挙げ、1966年の全英オープンで男子ゴルフ史上4人目の「キャリア・グランドスラム」を達成しました。その後、34年の間「キャリア・グランドスラム」の達成者は2000年の全英オープンでタイガー・ウッズが達成するまで現れませんでした。1986年のマスターズ制覇時に、46歳2ヵ月という史上最年長記録を樹立すると、シニアになってもチャンピオンズツアーで4大タイトルを獲得するなどし、2005年の全英オープン出場を最後に引退しました。このニクラスの引退試合となった2005年の全英オープンは本来セントアンドリュースで開催されるはずではなかったのですがニクラスがこの大会で引退すると宣言したことから1年前倒しで開催されたのはニクラスの人気とゴルフ界への貢献度がわかる有名な話です。

またニクラスは、今でこそ当たり前になった「コースマネジメント」という考え方を導入した最初のゴルファーであるとも言われています。また、コース全体のヤーデージブックを取り入れたことや残りの距離を歩測することも、打つ前のルーティンも、ニクラスが最初に取り入れたといわれています。この計算し尽くされたショットとコース攻略をあの「球聖」ボビー・ジョーンズは 「ニクラスは何事にも驚かないでいられるだけの周到な準備で、機械的に淡々とバーディーをとるゴルフをするので、私とはタイプが異なる」と評価しています。

ジャック・ニクラスの「強さ」についてタイガー・ウッズが以前、アメリカの雑誌で3つのポイントを挙げていました。

・ゴルフに対する姿勢

ニクラスは、ゴルフに対し常に真剣に向き合い優勝がかかった場面はもちろん、予選通過ギリギリな時も、プレーする姿勢が変わらなかったと言います。プレーに専念するだけでなく、人々を楽しませようとしていたニクラスの、プロ精神が感じられます。

・非常に長期間に渡って勝ち続けていたということ

勝つために常に最高の状態を作り上げる、たとえ最高の状態でなくても勝つことができる技術と精神力は誰にでも真似ができることではありません。

・勝負所でのパットを入れることができる力

ここが最大の強さの秘訣なのではないかと思います。ニクラスは「絶対決めなければならないパットを必ず決める」ことが真のチャンピオンの証拠だと語っています。ニクラスは、ドライバーの飛距離もアイアンの飛距離も全盛期とそれほど変わっていなかったが決めなければならないパット、特に4メートルから5メートルのパットが入らなくなったことが65歳で引退した理由の1つだと、引退後に語っています。

ゴルフ場の設計においても、素晴らしい才能を発揮し、世界ベスト100コースにランキングされる名コースを世界各地で設計しています。日本だけでも27コースあり世界には300コース以上あるといわれています。

ニクラスのコース設計に共通するのは、「性別、年齢、技術の異なるプレーヤーが同じフィールドで楽しめるのがゴルフの魅力。あらゆるプレーヤーが公平に楽しめなければいけない。ナイスショットはしっかり報われ、ミスショットにはそれなりのペナルティが科せられるという意味でも、フェアでなければならない」という考えで、だからこそ、ゴルフ初心者や上級者、シニア、女性など幅広い層の人がゴルフを楽しめるよう。素晴らしいゴルフコースを世界中に設計できたのかもしれません。