ゴルフ場に出てくる動物シリーズ

🦝 ベンチで昼寝するハクビシン(カナダ・オンタリオ州)

18ホールのラウンドも終盤、休憩所のベンチに腰を下ろそうと近づいたとき、そこに先客の姿――。

ちょこんと丸くなって寝ていたのは、なんとハクビシンのような姿をした動物だった。

その長い胴体、尖った顔立ち、そして気持ちよさそうに目を閉じている姿に、思わず誰もが足を止める。

ここはカナダ・オンタリオ州。豊かな自然が広がるゴルフ場では、こうした**思いがけない“動物のくつろぎシーン”**が起こることもあるのだ。

❖ 実はハクビシンではない?オンタリオの“似た顔”

まず最初に確認しておきたいのは、「ハクビシン(白鼻芯)」は本来アジアに生息する動物であり、カナダには生息していないという点。

オンタリオ州でベンチに現れる動物は、その見た目から“ハクビシンのよう”と形容されるが、実際には以下のような動物が該当することが多い:

  • オポッサム(Virginia opossum)
  • ミンク(American mink)
  • アライグマ(Raccoon)
  • フィッシャー(Fisher)(マツテンの仲間)

中でも、オンタリオでよく目撃されるのがオポッサム。白い顔と黒い目、長い尻尾と猫ほどの大きさで、ハクビシンと見間違えられることも多い。

❖ なぜゴルフ場のベンチで寝ているのか?

野生動物がわざわざ人工物であるベンチを使う理由には、以下のような事情がある:

  • 芝や地面が濡れていて不快なときに、乾いた場所として利用
  • 木陰で安全かつ静かな休憩所として機能する
  • 匂いのついた人間の道具に好奇心を持って近づく
  • 昼間は休息時間のため、日差しを避けて一時的に休む

つまり、ゴルファーが立ち寄るベンチは、**動物にとっても“気に入られるインフラ”**となっている可能性が高いのだ。

❖ 実際の目撃談と行動パターン

オンタリオ州内の複数のゴルフ場では、以下のような目撃例が報告されている:

  • ベンチの下でぐっすり眠るオポッサム
  • バックティー脇の荷物台に丸まっているミンク
  • カート脇のベンチで“香箱座り”するアライグマ
  • 近づいても微動だにせず、堂々と寝続ける姿

特に昼下がりの時間帯は、これら夜行性の動物たちが**“昼寝タイム”に入っている可能性が高く**、遭遇する頻度も上がる。

❖ ゴルファーとしての対応

見た目が愛らしく、つい近づきたくなる動物たちだが、野生動物には決して触れてはいけない。

その理由は:

  • 狂犬病や寄生虫を持っている可能性がある
  • 触られることで強いストレスを受ける
  • 急に威嚇・噛みつき行動に出ることがある
  • 子連れだった場合、母親が防衛行動を取る可能性

遭遇したときは、以下のように行動するのが理想:

  • 距離を取り、ベンチの使用を一時的に避ける
  • 他のプレイヤーにも知らせる
  • コーススタッフに報告し、対応してもらう

❖ ゴルフ場としての共存の工夫

オンタリオ州のいくつかのコースでは、こうした野生動物の“くつろぎ利用”を踏まえ、次のような対策を取っている:

  • ベンチやカート脇に「野生動物休憩注意」のサインを設置
  • 繁殖期(春〜初夏)には、ベンチ清掃と点検を強化
  • 動物が頻繁に現れるエリアを“静観エリア”として周知
  • 「動物との出会いもゴルフの魅力です」とするパンフレット展開

これは、安全管理と自然教育を両立させる、地域密着型の取り組みの一環でもある。

🏞️ 芝の上の“昼寝仲間”

人が汗をかきながらスコアを追い、プレッシャーと戦う一方で、

その傍らのベンチでは、何の迷いもなくまどろむ小さな命がある。

ゴルフというスポーツが、自然のなかに身を置く体験であることを、

こうした「意図せぬ同居者」があらためて思い出させてくれる。

スコアよりも、その一瞬の出会いが心に残ることもある。

それが、オンタリオのゴルフ場で得られる“もう一つの価値”なのだ。

🦦 グリーンで滑るカワウソ(カナダ・アルバータ州)

朝露に光るグリーンの上に、小さな体を滑り込ませる影。腹ばいのまま、まるで天然のウォータースライダーのようにスイーッと芝を滑っていくのは――カワウソ(Otter)。

その無邪気な動きに、隣のホールでプレー中だったゴルファーが思わずクラブを置いて見入ってしまう。

ここはカナダ・アルバータ州。ロッキー山脈の麓に位置するこの地では、水辺に暮らす野生動物とゴルフ場が日常的に交差する。

❖ アルバータ州の自然とカワウソの生息地

アルバータ州には、湖や川、湿地など水の多い地形が豊富に存在し、**カナダカワウソ(North American River Otter / Lontra canadensis)**が安定して生息している。

特にカナナスキス、バンフ、カルガリー近郊のゴルフ場は、川沿いや池を利用したコース設計が多く、水辺に住むカワウソとの遭遇がごく自然なものになっている。

カワウソは基本的に夜行性または薄明活動性だが、日差しのある午前中や午後の涼しい時間帯には遊びのために芝に現れることがある。

❖ グリーンで「滑る」のはなぜ?

グリーン上でカワウソが滑る行動は、単なる“遊び”に見えて、実は複数の目的があると考えられている:

  • 毛皮の汚れを芝でこすり落とす(グルーミング)
  • 水から上がった後の水分を乾かすための行動
  • 繁殖期に自分の匂いをこすりつけてマーキング
  • 子ども同士の社会性を育む“遊び行動”

特に朝露の降りた芝や、前日に雨が降った後のぬれたグリーンは、滑りやすく、彼らにとって絶好の遊び場になる。

❖ ゴルフプレイヤーへの影響と注意点

グリーン上で動物が滑ったとなれば、当然プレイに支障が出る可能性もある。実際に見られる影響は次の通り:

  • 芝が一時的に押し潰されてパットの転がりに影響
  • カワウソが芝に小さな“うねり”や傷を残すことがある
  • ボールと同じ方向に滑っていくため、誤って“追いかけられている”と勘違いされることも

ただし、カワウソは人間を警戒してすぐに水辺に戻るため、攻撃性はまったくない。

むしろその様子を見て「和んだ」「癒やされた」という声が多く、ゴルファーたちの間でも好意的に受け入れられている。

❖ ゴルフ場でのカワウソ対策と配慮

カワウソは自然保護の対象にもなっているため、駆除や追い払いといった行為は一切行われない。

むしろ、共存を前提とした以下のような取り組みが進んでいる:

  • グリーン上に定期的な芝の補修を行い、遊び場とプレイエリアの両立を図る
  • コース周辺の水辺に「野生動物の生活域」として立入制限区域を設ける
  • カワウソの出現エリアをマップに表示し、観察を楽しむための情報として提供

また、一部のゴルフ場では、「カワウソ観察スポット」として親しまれているホールもあり、バードウォッチング感覚で楽しむプレイヤーも少なくない。

❖ カワウソはただの“マスコット”ではない

その愛らしい外見とは裏腹に、カワウソは自然界の優れたハンターでもある。魚やカエル、ザリガニなどを俊敏に捕らえ、環境のバランスを保っている。

ゴルフ場という人工空間の中に彼らが現れることで、私たちは芝の下に広がる生態系の存在に気づかされるのだ。

🏞️ 自然と遊ぶ者たちの交差点

グリーンの上でクラブを構える人間と、そのすぐそばで無邪気に滑るカワウソ。

まるで“人間と自然が同じステージを使っている”ような不思議な共演。

その一瞬の交差が、プレイにほんの少しの動揺と、大きな笑顔をもたらす。

カワウソの存在は、ゴルフ場が「自然の一部」であることを思い出させてくれる、愛すべき証人なのだ。

🦔 パターの先に立ち尽くすヤマアラシ(アメリカ・コロラド州)

18番ホールのグリーン上。パターで最後の一打に集中するプレイヤーの前に、突如として現れたのは、もこもことした体に無数の針をまとった生き物。

その丸い背中と、のそのそとした動き。

プレイヤーとボールの間に堂々と立ちはだかったその正体は、**ヤマアラシ(ポーキュパイン)**だった。

アメリカ・コロラド州の高原地帯に広がる自然豊かなゴルフ場では、こうした予想外の“針の乱入者”が、ラウンドの記憶を強烈に彩っていく。

❖ ヤマアラシとは?その生態と特徴

コロラド州に生息するヤマアラシは、アメリカヤマアラシ(North American porcupine / Erethizon dorsatum)。体長約60~90cm、体重は最大で15kg程度。

最大の特徴は、背中から尻尾にかけて密集した数千本の鋭い針。これを使って天敵から身を守る防御型の哺乳類である。

主に樹上生活を好み、木の葉や樹皮、果実などを食べる草食性。

動きはゆっくりで、人間に対しても無関心かつ温厚な性格だが、接触すると針が皮膚に刺さるため、近づくのは厳禁。

❖ なぜヤマアラシがゴルフ場に?

ヤマアラシがゴルフ場に現れるのには、以下のような理由がある:

  • 芝の下にある根や新芽を食べに来る
  • 夜間の水辺や果樹エリアで採食中に道に迷う
  • 木の多いコースでは、木登り中にグリーン近くへ降りることも
  • コースの静けさと人の気配の少なさが、彼らにとって“安全な環境”に見える

特に夕方〜夜明けにかけての時間帯は活動が活発で、早朝ラウンド中に出会うケースが非常に多い。

❖ 実際の目撃例と影響

ゴルフ場でのヤマアラシの姿は、どこか“もっさり”としていて可愛らしい。

だが、プレイヤーにとっては思わぬトラブルにもなりかねない存在だ。たとえば:

  • グリーン中央に立ち止まって動かない
  • パターで構えたボールのすぐそばを歩き去る
  • ボールやクラブに近づいて匂いを嗅ぐ
  • カート道の真ん中でのんびり横たわっている

このような場面では、プレイヤーもスタッフも**「距離を取って静観」が鉄則**となる。

動物が自ら移動するまで、数分間の“中断”が発生することも珍しくない。

❖ 対策と配慮:プレイヤーにできること

ヤマアラシに遭遇した際にとるべき行動は明確だ:

  • 決して近づかない(5m以上の距離を保つ)
  • 音を立てて脅かしたり、無理に追い払おうとしない
  • じっと見守り、道を譲る
  • ラウンド後にスタッフへ目撃情報を伝える

ヤマアラシは基本的に威嚇しなければ攻撃しないが、至近距離で驚かされた場合、尻尾を振って針を飛ばすことがあるため注意が必要。

❖ ゴルフ場側の対応と工夫

コロラド州の山間ゴルフ場では、こうした野生動物との共存を前提にした対策が徹底されている:

  • コースマップに「ヤマアラシ注意エリア」を明記
  • プレイヤー向けに「動物への接近禁止」のアナウンスを実施
  • 針が落ちている可能性のある場所の点検と清掃を強化
  • 専門スタッフによる定期的な野生動物モニタリング

また、常連のヤマアラシに名前をつけ、「ポーキー」「スパイク」などと親しまれているケースもあり、来場者の間で話題になることも。

🏌️‍♂️ 針の守護者とグリーンで出会う

パターの構えをとったその視線の先に、黙って座るヤマアラシ。

無言のまま、まるで「ここが自分の場所だ」と言いたげに、ただ静かにそこにいる。

その姿に人間が勝手に緊張し、同時に笑い、時にはカメラを向ける――。

スコアや技術では得られない**“記憶に残るラウンド”**を演出する、思いがけない野生の存在。

🌲 自然の支配者は誰か?

ヤマアラシは争わない。急がない。主張しない。

それでも、プレイヤーたちは彼らに道を譲る。

それはきっと、私たちがこの場所の本当の“主”ではないことを、どこかで知っているからだ。

コロラドの風と光の中で、グリーンに立つその姿は、ゴルフが自然との対話であることを教えてくれる。

最後のホールで出会うのが、スコアではなく一匹のヤマアラシだったとしたら――それは、最高の結末かもしれない。

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