ゴルフをしていると、避けられないのが「雨の日のラウンド」。天気予報では晴れマークでも、突然の通り雨や曇りからの本降りに見舞われることは少なくありません。中には「雨の日はキャンセルする」という人もいますが、競技志向の方や、スケジュールが限られているゴルファーにとっては「雨でもやる」のが普通のこと。
今回は、「雨のゴルフで大切なこと」をテーマに、装備、技術、メンタル、戦略の面から、実際にスコアを崩さないためのリアルなポイントを掘り下げていきます。この記事を読み終える頃には、「雨だからダメ」ではなく、「雨でもやれる」ゴルファーへ一歩近づいているはずです。

1. 雨の日は準備が全て|装備を制する者が雨を制す
雨の日のゴルフでまず重要なのは、「道具」と「準備」。これが不十分だと、プレー以前に気持ちが崩れてしまいます。
必須アイテムチェックリスト
- レインウェア(上下)
撥水性能の高いゴルフ用レインウェアを選びましょう。動きやすさ、通気性、防水性のバランスが大切です。ポンチョタイプよりもジャケット&パンツの2ピースがベスト。 - キャディバッグ用レインカバー
意外と忘れがち。クラブが濡れるとグリップが滑ってしまい、ミスショットの原因になります。 - タオルは最低3枚以上
1枚は体用、1枚はクラブ用、1枚は予備。ビニール袋に入れて乾いた状態を保ちましょう。 - グローブは複数枚持参
1ホールごとに交換するイメージで。全天候型のグローブや濡れても滑らないレイングローブが特におすすめ。 - 防水キャップ or バイザー
目に雨が入らないように。雨の日はバイザーよりキャップのほうが安心です。 - 滑り止めつきのゴルフシューズ
ソールのグリップ力が命。滑るとスイングもできません。
準備が万端であればあるほど、雨のストレスは軽減されます。雨ゴルフは「装備戦」だと言っても過言ではありません。
2. スイングは“振り切る”勇気が勝負を分ける
雨の日に多くのゴルファーが陥る罠があります。それは「滑るかもしれない」「飛ばないかもしれない」という不安から、スイングが縮こまってしまうこと。
雨の日ほど大切なのは、振り切る勇気です。
雨の日スイングの3つのポイント
- フィニッシュまでしっかり振り切る
躊躇してインパクトで止めると、ミスヒットが激増します。 - 下半身の踏ん張りを意識
特に足元がぬかるんでいる場合は、スイング時に踏ん張りすぎず、安定感を重視。 - クラブ選びは1番手上げる勇気
湿った空気はボールの飛距離を10ヤード以上落とすこともあります。無理に力まない代わりに、クラブを1番手大きくして軽く振るのが正解。
スイングに自信を持つには、まず足元とグリップが安定していることが前提。それを支えるのが装備であり、次に来るのが自分の「いつも通りのスイング」です。
3. コースマネジメントがスコアを守る鍵
雨の日のコースは、乾いた日に比べて全く別物です。
- フェアウェイは止まりやすい
- グリーンは遅くて重い
- バンカーは水分を含み、硬くなって跳ねやすい
こうした状況を踏まえて、いつも通りのマネジメントでは対応できません。
雨ゴルフの戦略的ポイント
- ティーショットは飛距離よりも「置き場所」
ラフは濡れると極端に難しくなります。フェアウェイキープ重視で、番手を下げる判断も◎。 - グリーンは“届かせる意識”が最重要
雨の日のグリーンはとにかく重く、転がらない。アプローチもパットも、いつもより「強め」で。 - バンカーはフェースを開かず“クリーンに”
水分を含んだ砂は爆発ショットには不向き。状況次第ではピッチショットに近い打ち方を。
このように、雨の日には「いつも通りやらない勇気」が必要です。悪条件だからこそ、マネジメントの差がスコアに直結します。
4. メンタルが折れたら終わり|雨の日ほど平常心を
雨のゴルフで最も怖いのは、実は「ミス」ではありません。それは「気持ちが切れること」です。
濡れる、滑る、寒い、スコアが崩れる…そんなときに「どうせもういいや」と思ったら、負けです。
雨の日のメンタル維持術
- ミスしても“仕方ない”の心構え
自分だけじゃない。みんな同じ条件でやっている。 - 1ホールごとにリセット
前のホールのミスは雨と一緒に流してしまおう。 - 小さな達成感を積み上げる
「今日はパーオンが3回できた」「雨なのに3パットがなかった」など、自分の中での目標設定を。
ゴルフは「自分との戦い」と言われますが、雨の日こそその真髄が試される舞台。特に後半になって雨が強くなると、集中力が一気に切れて大叩きするケースも多いので、「心のレインウェア」も忘れずに。
5. 雨の日ゴルフは上達の近道になる
最後にひとつ、大事なことを伝えます。
実は雨の日にこそ、ゴルファーとしての本当の実力が問われるのです。
- 雨の中で打てると、自信がつく
- 不安定な状況下でミスの理由が明確になる
- 集中力の高め方を学べる
- 自分の“弱さ”と向き合える
これらは、晴れの日のラウンドではなかなか得られない経験値です。プロのトーナメントでも、雨の翌日には順位が大きく変わることがよくあります。それだけ「雨に強いゴルファー」が有利なのです。
つまり、雨ゴルフはスコアを競う場であると同時に、自分を育てるトレーニングの場でもあるということ。

まとめ|雨を理由にしないゴルファーになろう
雨の日のゴルフには、確かに不快な要素も多くあります。ですが、きちんと準備し、戦略とメンタルを整えれば、むしろ「晴れの日より良いスコアが出る」こともあるのです。
・装備を万全に
・スイングは振り切る
・マネジメントは慎重に
・メンタルはブレずに
・経験値として捉える
この5つの心得を胸に、あなたも「雨でも戦える」ゴルファーを目指してみてはいかがでしょうか?